建てるなら平屋?2階建て?それぞれのメリット・デメリットについてプロが徹底解説
そもそも平屋とは、簡単にお伝えすると1階建てのことですが、平屋(1階建て)にするのか、2階建てにするのか、はたしてどちらが良いのか悩みますよね・・・
そこで平屋と2階建てのメリット・デメリットについてそれぞれ解説いたしますので、是非家づくりの参考にしてくださいね。
平屋と2階建てのメリット・デメリットとは?
それでは、平屋と2階建てのメリット・デメリットをそれぞれ確認してみましょう。
平屋のメリット
まずは平屋のメリットはどうでしょうか。
・2階がないので登り降りがない
・家事が楽になる部分がある
・歳を取った時に楽な家
・使わない部屋が出てくる可能性が低い
・日当たりが良く東西が長い敷地なら各部屋が明るくできる
・高さがないので北側に影を落としにくい
・地震に対して高さがある建物より安定している
上記が当てはまるかと思います。やはり平屋の最大の特徴といえば、階段がなくワンフロアで完結すること。
階段の登り降りがないため家事がしやすく、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭やお年寄りの方にとっても最適な環境だと言えます。
そのほかは、「日当たりが良い」、「高さがある建物よりも地震などの揺れに強い」などのメリットが挙げられるかと思います。
平屋のデメリット
一方でデメリットはどうでしょうか。
・敷地が狭いと日当たりを確保できない
・縦長の敷地だと日の光を奥まで届かせるにはトップライトや設計の工夫が必要
・間口(東西)の長い敷地にしか合わない
・同じ広さの2階建てより建築コストが高くなる
・ゾーニングによっては端から端まで移動しなければいけない間取りになる
・広い敷地が必要になる
・河川付近、洪水からの被害で上に逃げにくい
平屋の最大のデメリットは、「敷地が狭いと日当たりを確保できない」ことが挙げられるかと思います。
特に都市部ですと、周辺の建物自体が高いので敷地があったとしても、日当たりの問題で敬遠される方も多いのではないでしょうか。
加えて、やはり平屋は十分な広さが必要ですので、「2階建てより建築コストが高くなること」はもちろん、「洪水などの災害が起こった際に、上に逃げにくい」といったデメリットが挙げられるかと思います。
2階建てのメリット
次に2階建てのメリットはどうでしょうか。
先程紹介した平屋のメリットと比較してみましょう。
・同じ広さの場合、平屋より建築コストを下げられる
・同じコストで平屋より広く造れる
・狭い敷地でも一定の広さの家、または部屋数が実現できる
・高い位置から日の光を入れられる
・建物の北側にも日の光を入れられる間取りが造れる
・高い位置からの景色が得られる
・河川付近、洪水からの避難で上に逃げられる
平屋と比較すると、それほど敷地が広くなくても上も使えることで一つ一つの部屋の広さが確保できるといった点が大きく異なる点かと思います。
そのため、「建築コストを下げられる」、「部屋数が確保できるので、各々個人の空間ができる」といった点がメリットとして挙げられるかと思います。
2階建てのデメリット
ではデメリットはいかがでしょうか。
・2階への登り降りを苦にする人にはマイナス
・2階にしか寝室がないと老後が大変
・高さがあるので北側に大きな影を落とす
・2階がいずれ使わなくなるという不安要素を含む
・地震に対して平屋の家より不安定である
2階建てのデメリットは、平屋に比べて「生活導線が長くなる」こと。
そして、「高さがある分、平屋に比べて耐久性が低い」ことや「高齢になったときに2階が使われなくなるといった不安要素があること」といった点がデメリットとして挙げられるかと思います。
以上の通り平屋を選ばれる人は、そのメリットがデメリットを上回るため、ご希望されるのだと思います。
ただ、この多くのメリットを得るためには建築地の広さ、形状などがとても大事なので参考図を添付します。ご確認ください。
※同じ土地の広さで検証してみました。
※また土地の高さも同じで記載しております。
見てもらうと分かる通り、平屋は土地を選びます。
どんな土地でも平屋を建てれば良いというわけではなさそうです。
是非、平屋を検討している場合は、建築地の特性に気を付けてくださいね。
インカラーアーキテクツの事例
みどり市にあるモデルハウスをご紹介いたします。
延床面積33.25坪(約109㎡)の2階建ての建物です。
1階に主寝室のある建物で、2階には子供部屋が2つ取れる間取りとなっており、
使い勝手はまるで平屋のような建物です。
みどり市の建物は南側にお隣の旗竿地の敷地延長が南側に4mあるので、まだ平屋を建て易い敷地です。しかし、南側に2階建てが建つと冬至の日の高さが一番低い時、建物に日陰がかかるかもしれないことを考慮し2階建てを建てました。
↓このような形です
※太陽の高さから影の長さ(底辺)を求める式は下記サイトから計算しました。
参考:https://keisan.casio.jp/exec/system/1177477195
図の赤いラインの建物は、駐車場を確保する関係で東西の長さに限界があります。
もし平屋を希望する場合、あとは南側に伸ばすしかありませんでしたが、
それはせずに2階建てにしたということですね。
※補足:建築する建物は、土地の高さ、基礎高+床高があるので、建物に影が落ちるのが嫌だからといって、厳密に影の長さだけ前との距離を空ける必要はありません。
まとめ
ここでは、それぞれ平屋・2階建てのメリット・デメリットについてお話ししました。
最後に、平屋・2階建てのメリット・デメリットをそれぞれ一覧にまとめますので、悩まれている方は是非参考にしてくださいね。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
平屋 | ・2階がないので登り降りがない ・高さがないので北側に影を落としにくい ・地震に対して高さがある建物より安定している |
・敷地が狭いと日当たりを確保できない ・同じ広さの2階建てより建築コストが高くなる |
2階建て | ・平屋より建築コストを下げられる ・狭い敷地でも一定の広さの家、または部屋数が実現できる |
・2階にしか寝室がないと老後が大変 ・地震に対して平屋の家より不安定である |
《私たちは情報過多の世の中で、最良の導き手としてクライアントの想いに耳を傾け、予算内で夢に見た自分だけのこだわりの注文住宅を提供します。》
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